たゝへた水のさみしうない

Dancecafe081226070

―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、12月8日の稿に
12月8日、晴后曇、行程4里、松崎、双之介居。

8時頃、おもたい地下足袋でとぼとぼ歩きだした、酒壺洞君に教へられ勧められて双之介居を訪ねるつもりなのである、やうやく1時過ぎに、松崎といふ田舎街で「歯科口腔専門医院」の看板を見つける、ほんたうに、訪ねてよかつた、逢つてよかつたと思つた、純情の人双之介に触れることが出来た-同時に酔つぱらつて、グウタラ山頭火にも触れていただいたが-、まちがいのないセンチ、すきにならずにはいられないロマンチシズム、あまりにうつくしい心の持主で、醜い自分自身を恥ぢずにはゐられない双之介、ゆたかな芸術的天分を発揮しないで、恋愛のカクテルをすすりつつある人−さういつたものを、しんみりと感じた。-略-

今夜は酔ふた、すつかり酔つぱらつて自他平等、前後不覚になつちやつた、久しぶりの酔態だ、許していただかう。

※表題句の外、12句を記す

―四方のたより― サティ効果

Arisaが東京へと飛び立って以来、JunkoとAyaの、二人だけの稽古が続いているが、この日-11/1-の即興は、これまでとははっきりと、期を画したものとなった。

これには近頃始めたサティ効果-サティの短いが変調の激しいさまざまな曲に文字どおり即いて動いていくこと-が大いに寄与しているとみえるが、動きの紡ぎ出しとその変奏が、二人ともにみちがえるほど豊かになってきたのだ。
殊にJunkoの、BachのPartita曲-Bourree-で踊った8分ほどの即興は、従来ともすると凝り型に陥りやすい彼女が、そういった拘りから解き放たれ、とめどもなく動きの変奏が繰り出されゆくといった体で、その自在さにおいて見事なものであった。

稽古は午後2時にたたんで、最終日になってとうとう雨にたたられたCASOへと移動。激しく降ったかと思えば、ときに止んだり、しのつく雨となったり、荒れ模様の天候下で、それでも玄関前の屋外パフォーマンスは間断しながら為されていった。

私は、わざわざ岸本康弘君を伴って車を走らせてきた宮本君らと、隣の喫茶店に入り打合せ主体の歓談で、窓越しにちらりと眺めるくらいで、殆どまともに見られなかったのだが、4時過ぎからのFull Memberでの踊りなどはもう土砂降りのなかだった。

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