2011-01-01から1年間の記事一覧

星あかりをあふれくる水をすくふ

―四方のたより― 丸一年でPCダウン私が日ごろ主に使ってきたPCは、DELL製品のInspiron Desktop 580S、いわゆるスリム型というやつ。 昨年8月上旬に購入したものだから、ちょうど1年経ったばかりというのに、あろうことかこ奴、一週間ばかり前に突然ダウンした…

うぶすなの宮はお祭のかざり

―表象の森― <日暦詩句>-41 「他人の空」 飯島耕一鳥たちが帰つて来た。 地の黒い割れ目をついばんだ。 見慣れない屋根の上を 上つたり下つたりした。 それは途方に暮れているように見えた。空は石を食つたように頭をかかえている。 物思いにふけつている。…

ふるさとの空の旗がはたはた

―四方のたより― 橋下知事のいかがわしさどうも夏バテのようだ、この二日、寝ると爆睡といった調子だし、起きても身体が怠いし重い。ところで、橋下知事がWTCへの府庁舎移転を断念した、のニュースが朝から躍っている。 3.11の東北大地震の際、震度3で思わぬ…

けさも青垣一つ落ちてゐて

―山頭火の一句― 行乞記再び-昭和7年-2218月18日、近来にない動揺であり、そしてそれだけ深い反省だつた、生死、生死、生死、生死と転々とした。 アルコールよりもカルチモンへ、どうやらかういふやうに転向しつつあるやうである、気分の上でなしに、肉体に於…

あてもない空からころげてきた木の実

―表彰の森― 聖職者ジャン・メリエの悲劇ジャン・メリエ-1644〜1729-、フランス北東部アルデンヌ地方の寒村で、一介の司祭としてなんの波風もなく40年間の長きを務めあげた彼は、その陰で「すべての宗教は誤謬とまやかしとペテンにすぎない」といった驚くべき文…

虫が鳴く一人になりきつた

―四方のたより― ゲノム解析私の読んでいるメルマガ「明快!森羅万象と百家万節の系譜」によると、ゲノム解析はめまぐるしく進み、そのコストは飛躍的に安価になってきているという。以下は8/13付のメルマガから−「DNA を読み書きするためのコストは、この10 …

ふるさとの蟹の鋏の赤いこと

―四方のたより― えっ、朝刊休み?今日は終戦記念日だが、新聞大手五紙は休刊となっている。 はて、こんなことはこれまでにあったのだろうか? どうも記憶がないが‥、初めてじゃないのかしらん、とすると少々問題だろう、なにも今日でなくとも、8日でも22日で…

夏草ふかく自動車乗りすてゝある夕陽

―四方のたより― 闘病、この残酷なるもの妹の亭主殿、ようするに義弟だが、今年64歳の彼が、昨年11月末頃に肺癌を発症した。健康診断のレントゲンでひっかかり、精密検査をしたところ判明したわけだが、それより以前のほぼ2年間、彼は糖尿病の新薬であるDU-17…

ふるさとの水だ腹いつぱい

―四方のたより― KAORUKO紙芝居板「北の旅」最終篇 「六日目 七月二九日」 宿のすぐそばに黒岳ロープウェイの乗り場があります。私たちもロープウェイに乗って、山に行き景色を見たり散歩をしました。 層雲峡から旭川の旭山動物園までは一時間くらいで行きま…

朝焼すゞしいラヂオ体操がはじまりました

―四方のたより― KAORUKO紙芝居板「北の旅」その3 「四日目 七月二七日」 宿を出たのは八時。曲がりくねった峠を越えると、屈斜路湖が見えてきました。湖を左に見ながらしばらく走って、摩周湖の展望台に着きました。摩周湖は不思議な湖です。水面がちっとも…

去る音の夜がふかい

―四方のたより― KAORUKO紙芝居板「北の旅」その2 「二日目 七月二五日 朝食の後、すぐに出発して、一時間くらい走ったら、支笏湖のそばにある苔の洞門に着きました。苔だらけの大きな岩がいっぱいでびっくりしました。案内のおじさんが三人の写真を撮ってく…

炎天の電柱をたてようとする二三人

―四方のたより― KAORUKO、奮闘中KAORUKOの学校の、夏休みの自由作品に、紙芝居風に「北の旅」のアルバムを作ろうと、本人はもちろんだが、親父殿-私のことだ-も一緒に、只今奮闘中である。 題して「2011夏、北海道2000?の旅」」、作品は四切り画用紙8枚の大…

秋草や、ふるさとちかうきて住めば

―表象の森― <日暦詩句>-40 「卵」 吉岡実神も不在の時 いきているものの影もなく 死の臭いものぼらぬ 深い虚脱の夏の正午 密集した圏内から 雲のごときものを引き裂き 粘質のものを氾濫させ 森閑とした場所に うまれたものがある ひとつの生を暗示したもの…

秋めいた雲の、ちぎれ雲の

―表象の森― 一抹の違和「マロニエの花が言った-下巻-」やっと読了。 その終りはやや唐突気味に幕を下ろした感があるが、それにしても愉しくも長い旅路だったように思う。 この詩と散文と批評の壮大な織物が書き起こされたのは1989年、月刊誌「新潮」の1月号…

すずしく自分の寝床で寝てゐる

―四方のたより― 季節が移りつつ‥夕食の後、ベランダに出て煙草を一服。かすかな涼風が心地よい。西南の空には八日の月か、右から左から盆踊りの唄が競うように聴こえてくる。この頃になると過ぎゆく夏を感じて、なんだか和やかな気に満たされてくるような、…

ふるさとの水だ腹いつぱい

―四方のたより― おみやげ? どうせ一回こっきりの北の国への旅なれば、なにがしか記念になるものを購ってもよかろうと買い求めたのが写真の、つがいの島梟とグラスたち。 ―山頭火の一句― 行乞記再び-昭和7年-2088月5日、曇、眼がさめるとまたビールだ、かう…

お墓の、いくとせぶりの草をぬく

―表象の森― 光晴と貘、承前1943年ごろ、二人でよく戦争のさなかの東京の町を歩き、二人にしか通じない、そして他の人たちに喋ると危険なことを、まったき信頼のうちに語り合った。それは文壇、詩壇、政治、戦争などを思いきりこきおろし、その後が爽快な気分…

松もあんなに大きうなつて蝉しぐれ

―表象の森― 光晴と貘ひさしぶりに清岡卓行の「マロニエの花が言った-下巻-」を読み継いでいる。 上巻を読み終えたのはもう3年余り前、その折、次いで下巻に取りかかったものの、すぐ積読状態になって、そのまま年月ばかりが過ぎ去ってきたが、それでも鮮烈な…

あかつきのどこかで何か搗いてゐる

―四方のたより― 山頭火ふるさと会のことなど今日の「山頭火の一句」、その行乞記にあるごとく、この日、山頭火は大種田破産で故郷を追われる直接の因ともなった種田酒造場のあった大道に、妹とその縁戚を訪れているのだが、この一事に因んでちょうど10年前に…

逢へてよかつた岩からの風に

―四方のたより― 螺線館だより 一週間の北の旅に発つ二日前だったか、ベルリンを拠点に活動をつづける「螺線館」の嶋田三朗君から近況を知らせる便りがあった。 暑中お見舞い申し上げます ―2011年7月22日 みなさまのご活躍とご健康をお祈りします。 2月に上演…

何と涼しい南無大師遍照金剛

―四方のたより― 亀岡、楽々荘にて7日間の北の旅からやっと帰宅し、ほっと息つくまもなく出かけたのは5時過ぎ。車で向かったのは亀岡の楽々荘。 阪神高速池田線から都市高池田木部線を走って木部第一INを下りると国道423号線に出る。箕面の西部を通り豊能町を…

日ざかり、われとわがあたまを剃り

―四方のたより― 北の大地へ―第7日小樽市内から札幌市内、新千歳空港へ 新千歳発12:15―関空着14:25 より大きな地図で 新千歳 を表示帰宅16時頃予定 ―山頭火の一句― 行乞記再び-昭和7年-2027月30日、晴、晴、晴、一雨ほしいなあ! 緑平老から来信、それは老の…

あおむけば蜘蛛のいとなみ

―四方のたより― 北の大地へ―第6日層雲峡から旭川へ、そして小樽へより大きな地図で 小樽―グランドパーク小樽 を表示宿泊地―小樽市築港、グランドパーク小樽 ―山頭火の一句― 行乞記再び-昭和7年-2017月29日、朝曇、日中は照りつけるだらう。 修証義読誦、芭蕉…

炎天のポストへ無心状である

―四方のたより― 北の大地へ―第5日知床から網走、サロマ湖へを経て、層雲峡へより大きな地図で 層雲峡―朝暘亭 を表示宿泊地―層雲峡、朝暘亭 ―山頭火の一句― 行乞記再び-昭和7年-2007月28日、晴、風がすがすがしい、そして何となく雨の近い感じがする、今日は…

暑さ、泣く子供泣くだけ泣かせて

―四方のたより― 北の大地へ―第4日摩周湖から野付半島へ、羅臼を経て知床五湖へより大きな地図で 知床 を表示宿泊地―知床半島岩尾別温泉、ホテル地の涯 ―山頭火の一句― 行乞記再び-昭和7年-1997月27日、今日は土用の丑の日。 鰻どころか一句もない一日だつた…

水底の雲から釣りあげた

―四方のたより― 北の大地へ―第3日ガーデン街道から十勝、帯広を経て、釧路湿原、そして阿寒湖へより大きな地図で ランプの宿 を表示宿泊地―津別町奥屈斜路温泉、ランプの宿森つべつ ―山頭火の一句― 行乞記再び-昭和7年-1987月26日、相かはらず暑い、夕立がや…

押売が村から村へ雲の峰

―四方のたより― 北の大地へ―第2日洞爺湖から支笏湖を経て、美瑛、富良野へより大きな地図で 富良野ノースカントリー を表示宿泊地―富良野市下御料、ノースカントリー ―山頭火の一句― 行乞記再び-昭和7年-1977月25日、何と朝飯のうまいこと! -現在の私には、…

夾竹桃、そのおもひでの花びら燃えて

―四方のたより― 北の大地へ―第1日空路、北海道へ。関空発9:05―函館着10:45 函館市内めぐりの後、大沼を経て内浦湾を北上、洞爺湖へより大きな地図で 洞爺湖 を表示宿泊地―洞爺湖温泉湖畔の壮瞥温泉ペンシヨンおおの ―山頭火の一句― 行乞記再び-昭和7年-1967…

事がまとまらない夕蝉になかれ

―四方のたより― 琵琶五人の会今日もまた催しのご案内、毎年この時期、恒例の「琵琶五人の会」公演。 題して「百花繚乱、戦国武将」の絵巻とや。 関西で活躍する師範衆五人組なれば堪能できること請合いなれど、 これまた小生は参上叶いません、悪しからず、…

虫のゆききのしみじみ生きてゐる

―四方のたより― イベント二題縁の深い昔の仲間から、明後日に催しがあると誘いがあつた、それもふたつ。 ひとつは蕎麦屋「凡愚」の真野夫妻からの案内で、蕎麦切り職人衆8人が集結した以下の如き催し。昔はこの夫婦、夫は写真で、妻は衣装デザイン、初期の頃…