2007-01-01から1年間の記事一覧

なれなれてはや有明の月の秋に‥‥

−世間虚仮− 郵政民営化とアムンゼン毎日紙面の「時代の風」に同志社の大学院で教鞭を執る国際経済学者の浜矩子が「郵政民営化の怪」と題し、世界で初めて南極点到達を果たしたノルウェーの探検家アムンゼンの故事を引きながら、この10月1日に民営化へと踏み…

かよひこし枕に虫のこゑ絶えて‥‥

イザベラ・バードの日本奥地紀行 (平凡社ライブラリー)作者: 宮本常一出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2002/12/09メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 17回この商品を含むブログ (29件) を見る −表象の森− 蚤とねぶた明治11(1878)年の6月から9月にかけて、東…

春の夜のみじかき夢を呼子鳥‥‥

−表象の森− ドストエフスキーの森「父−皇帝−神の殺害をめぐる。原罪の物語」とは亀山郁夫著「ドストエフスキー 父殺しの文学」上下本に記された帯のコピーだ。 上巻の帯裏には 「斧の重さか、それとも『神』の囁きか?‥‥罪の重さに正しく見あう罰の重さなど…

唐土もおなじ空こそしぐるらめ‥‥

−世間虚仮− 官邸のゴミ、テレビのゴミ政府の首相官邸に設置された、曰く「少子化」云々や「地域再生」云々、或いは「教育」「再チャレンジ」云々などなにやかやの政策会議が、雨後の竹の子のように作られて今や100を超えるとか。 首相か官房長官がトップを務…

山彦のこたふる宿のさ夜衣‥‥

−世間虚仮− 連休疲れ?体育の日は野分でもないのに秋には珍しい前夜からの激しい雷雨が残って終日悪天候。 7日の日曜に運動会など済ませておれば幸いだが、この日を文字通り予定していたところはみな順延になったことだろう。 週末や祝祭日などになるとこれ…

寝覚めする枕にかすむ鹿の音は‥‥

−表象の森− カンブリア紀の爆発−「眼の誕生」「カンブリア紀の爆発は、生命史の要をなす瞬間である」とはS.J.グールドが著書「ワンダフル・ライフ」の中で述べた言だが、5億4300万年前から5億3800万年前のほぼ500万年という生物進化上の年代的サイクルでいえ…

鶉鳴く真野の入江の浜風に‥‥

−世間虚仮− 親業の一日10月に入りやっと秋らしくなった。 昨日は連れ合いが休みを取って日頃はなかなか適わぬ子ども孝行とばかり久しぶりに遊園地行。 鈴鹿サーキットにあるモートピアなる遊園地へは今回で2度目、片道120?余、些か遠いのが難で2時間半ほどの…

さびしさの心のかぎり吹く風に‥‥

−表象の森− 追悼のざわめき劇場にわざわざ足を運んで映画を観るなどということはいったい何年ぶりであったろうか。この前に何を観たのか、いくら振り返っても思い出せないほどに遠い昔になってしまっている。 一昨日のこと、九条にあるシネヌーヴォへと出か…

葦辺ゆく雁の翅を見るごとに‥‥

−世間虚仮− 11万人の怒りと5万人の憂き目各行政の長や県議会をも巻き込んだ沖縄県民11万人の結集がとうとう政府文科省をも動かした。 戦争末期の住民集団自決が日本軍部による強制のものであったという厳正なる事実を歪曲させ、この記述を削除させた高校日本…

夕されば野辺の秋風身にしみて‥‥

−表象の森− 中野重治への召集すでに日本全土の都市という都市がB29の空襲でほぼ壊滅的な打撃を蒙っていた戦争末期、というより終戦も間近の、高見順「敗戦日記」の7月23日付に、 「中野重治の応召を聞く。ドキッとした。中野重治が‥? 四十二.三だ。」 と短…

さびしさや思ひ弱ると月見れば‥‥

−世間虚仮− 秋近けれど‥‥今日から明日、久しぶりの雨模様でやっと秋らしくしのぎやすくなった。昨日までのように下着一枚の格好で窓を開け放していると肌寒いほど。このまま一気に秋本番となって欲しいものだが、来週もまた残暑へと戻るらしい。 <同窓会近…

から衣裾野の庵の旅まくら‥‥

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)作者: 福岡伸一出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/05/18メディア: 新書購入: 56人 クリック: 1,487回この商品を含むブログ (1107件) を見る −表象の森− 生物と無生物のあいだ今年5月に出版されたちまち多刷を重ねる…

雁の来る峯の松風身にしみて‥‥

−四方のたより− Dinner Showの夜もうずいぶん前から些か関わりのある歌い手松浦ゆみのディナーショーが弁天町オークのホテル大阪ベイタワーであったので、昨夜は連れ合いも幼な児もご同伴で、日頃の私などには不似合いの時ならぬ賑やかにて華麗なる(?)一夜…

わたのはら八重の潮路に飛ぶ雁の‥‥

−世間虚仮− いやはや‥‥国会議員票と都道府県連票(総数528票)で争われた自民党総裁選は、福田康夫330票、麻生太郎197票で、8つもの各派閥の領袖が支持に回った福田康夫が下馬評通り新総裁に。明日(25日)にも首班指名を受けて福田内閣誕生となるが、騒動の元凶…

古畑の岨の立木にゐる鳩の‥‥

−表象の森− 忘れられた日本人民俗学の泰斗宮本常一は、日本常民文化研究所にあって戦中から戦後の高度成長期まで全国各地をフィールドワーク、貴重かつ膨大な記録を残した。本書はその代表的な古典的名著。 俳優の坂本長利が一人芝居で演じてよく知られた「…

秋風に山吹の瀬のなるなべに‥‥

−世間虚仮− 安部首相脱税疑惑と独裁者たちの闇の財産突然の辞任劇で敵前逃亡、今も慶応病院に入院したままの安部首相の相続税脱税疑惑は、グレーゾーンとはいえどうやら黒とは断じきれぬもののようだ。 直かに週刊現代の当該記事にあたったわけではないがそ…

今朝の朝明雁が音聞きつ春日山‥‥

−四方のたより− 再び、中原喜郎展へ9月も下旬にさしかかろうというのに日中の蒸し暑さはどうにもたまらない。 地球温暖化による異常気象もここに至っては疑いえぬ厳然たる事実かとみえる。 その残暑のなか、昨日(17日)は再び中原喜郎兄氏の遺作展も最終日と…

まどろひて思ひも果てぬ夢路より‥‥

−世間虚仮− テロ特措法の本名?夏バテゆえか昼輭の残暑は身に堪えるし、夜は夜でこのところよく眠る。 15日の土曜日、京都のアルティホールへとフェス応募の書類を持参、クルマでトンボ返りに所要時間5時間半、年がゆくとこういうのが思いのほか身体に堪える…

露深きあはれを思へきりぎりす‥‥

−四方のたより− 中原喜郎兄よ!中原喜郎兄氏の遺作展にて添えられた作品目録の小紙に、「ごあいさつ」と題された絹代夫人の簡潔にて胸を打つ一文がある。 ここに兄氏を偲ぶよすがとして之を引いておきたい。「大阪空襲でおふくろに背負われ、炎の中を逃げた…

露深きあはれを思へきりぎりす‥‥

−世間虚仮− 殿、ご乱心!とうとう安部首相はご乱心、突然の辞任表明に日本中ばかりか世界をも驚かせているとんだお騒がせ君だ。 与謝野官房長官が「健康に大きな不安を抱えており、これが最大の原因」と所感を述べていたが、以前から安部晋三は厚労相指定の…

ゆく秋に底なる影もとどまらず‥‥

−四方のたより− 我ら何処より来たりて昨年12月急逝した畏兄ともいうべき中原喜郎氏の遺作展が、昨日(9.11)幕を開けた。 会場は彼が生前毎年のようにこの時期に個展を開催してきた滋賀県立近代美術館。初日とて、梶野哲さんはじめ市岡美術部OBの顔馴染み連も…

わりなしや露のよすがを尋ね来て‥‥

−表象の森− その名はKOKORO: 胡紅侶偶々、中国舞踊を観る機会を得た。 昨日は連れ合いが休日出勤とて、幼な児連れの私は常よりもゆっくりとメンバーの待つ稽古場へ出かけたのだが、それもまたいつものごとく昼過ぎには終えてみれば、はてその後の時間潰しの…

あづま路の夜半のながめを語らなむ‥‥

−表象の森− 三木清の獄死高見順の「敗戦日記」に、10月1日付冒頭、 「三木清が獄死した。殺されたのだ!」と記されている。 はて、三木清の獄死は戦後すぐのことであったのか、てっきり戦時中のことだとばかり思っていたが、と気にかかり少しく調べてみた。…

消えかへり心ひとつの下萩に‥‥

−表象の森− 「敗戦日記」高見順「敗戦日記」読了。 昭和20年の1月1日から終戦の詔勅を経て12月31日までの、中村真一郎に「書き魔」とまで言わしめた文人の戦時下の日々を執拗なまでに書き続けた日記。 おもしろかった。敗戦間近の極限に追いつめられた日本と…

さらでだにあやしきほどの夕暮に‥‥

−世間虚仮− パキスタンの高速道路崩落3日前の新聞だったか、小さな囲み記事だが、パキスタンのカラチでこの8月に開通したばかりの高速道路が崩落するという事故が報じられていた。 記事の伝えるところでは、少なくとも5人が死亡、10人以上が重傷で、なお生き…

大比叡やかたぶく月の木の間より‥‥

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)作者: ドストエフスキー,亀山郁夫出版社/メーカー: 光文社発売日: 2006/09/07メディア: 文庫購入: 29人 クリック: 257回この商品を含むブログ (468件) を見る−表象の森− カラマーゾフ光文社の古典文庫シリーズで出…

それもなほ心の果てはありぬべし‥‥

−表象の森− いじめ自殺月刊「文芸春秋」の1月号などと遡って買い求めたのは、「いじめ自殺」について吉本隆明が小文を寄せているというのに食指が動いたからだ。 「いじめ自殺、あえて親に問う」と題された掌編の中で、吉本はハッとさせられるような大胆な言…

里は荒れて燕ならびし梁の‥‥

−世間虚仮− 市岡、単位制に大阪府教委による公立高校の再編整備のなかで、市岡が単位制高校へと09年度までに移行することが決まったようだ。 そういえばこの春から学区再編で従前の9学区制から4学区制へと変わり、おまけに前期・後期の入試があったりで、新…

声高しすこし立ちのけきりぎりす‥‥

−世間虚仮− 信州子連れ旅子どもが5.6歳ともなってくると、気ままな旅もどうしても子どもを軸に動かざるをえない。 それほど重症ではないのだが、日々、アトピー性皮膚炎と闘う幼な児には、なによりも空気清澄にして涼風爽やかなのがよかったとみえて、先週の…

きりぎりす夜寒に秋のなるままに‥‥

−世間虚仮− 古民家の宿お盆も過ぎたというのに炎熱地獄の続く都会を逃れ、3日間という束の間ながら涼を求めて信州に遊んできた。 宿泊先は信州でもめずらしく観光資源らしきものはまったくないような山村の中条村。人口は一昨年の国勢調査時点で2593人。平成…