2009-01-01から1年間の記事一覧

また逢うた支那のおぢさんのこんにちは

人間臨終図巻〈1〉 (徳間文庫)作者: 山田風太郎出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2001/03メディア: 文庫購入: 18人 クリック: 110回この商品を含むブログ (105件) を見るInformation-四方館 DANCE CAFF-「出遊−上弦月彷徨篇」 ―山頭火の一句― 昭和5年の行乞…

ずんぶり浸る一日のをはり

Information-四方館 DANCE CAFF-「出遊−上弦月彷徨篇」―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、11月11日の稿に 11月11日、晴、時雨、−初霰、滞在、宿は同前山峡は早く暮れて遅く明ける、9時から11時まで行乞、かなり大きな旅館があるが、ここは夏さかりの冬がれで…

いちにち雨ふり一隅を守つてゐた

Information-四方館 DANCE CAFF-「出遊−上弦月彷徨篇」―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、11月10日の稿に 11月10日、雨、晴、曇、行程3里、湯ノ平温泉、大分屋夜が長い、そして年寄は眼が覚めやすい、暗いうちに起きる、そして「旅人芭蕉」-荻原井泉水著「旅人…

枯草、みんな言葉かけて通る

Information-四方館 DANCE CAFF-「出遊−上弦月彷徨篇」―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、11月9日の稿に 11月9日、晴、曇、雨、后晴、天神山、阿南屋暗いうちに眼が覚めてすぐ湯へゆく、ぽかぽか温かい身心で7時出発、昨日の道もよかつたが、今日の道はもつと…

一寝入してまた旅のたより書く

Information-四方館 DANCE CAFF-「出遊−上弦月彷徨篇」―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、11月8日の稿に 11月8日、雨、行程5里、湯ノ原、米屋やつぱり降つてはゐるけれど小降りになつた、滞在は経済と気分が許さない、すつかり雨支度をして出立する、しようこ…

筧あふるゝ水に住む人なし

Information-四方館 DANCE CAFF-「出遊−上弦月彷徨篇」―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、11月7日の稿に 11月7日、曇、夕方から雨、竹田町行乞、宿は同前雨かと思つてゐたのに案外のお天気である、しかし雨が近いことは疑はなかつた、果して曇が寒い雨となつ…

腰かける岩を覚えてゐる

Information-四方館 DANCE CAFF-「出遊−上弦月彷徨篇」―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、11月6日の稿に 11月6日、晴后曇、行程6里、竹田町、朝日屋急に寒くなつた、吐く息が白く見える、8時近くなつてから出発する、牧口、緒方といふ町を行乞する、牧口とい…

日が落ちかかるその山は祖母山

Information-四方館 DANCE CAFF-「出遊−上弦月彷徨篇」―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、11月5日の稿に 11月5日、曇、三番町行乞、宿は同前昨夜は蒲団長く長くだつた、これからは何よりもカンタン-蒲団の隠語-がよい宿でなければかなはない、此宿は主婦が酌…

暮れてなほ耕す人の影の濃く

Information-四方館 DANCE CAFF-「出遊−上弦月彷徨篇」―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、11月4日の稿に 11月4日、晴、行程10里と8里、三重町、梅木屋早く起きる、茶を飲んでゐるところへ朝日が射し込む、十分に秋の気分である、8時の汽車で重岡まで10里、そ…

ふる郷の言葉なつかしう話しつづける

Information-四方館 DANCE CAFF-「出遊−上弦月彷徨篇」―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、11月3日の稿に 11月3日、晴、梢寒、延岡町行乞、宿は同前だいぶ寒くなつた、朝は曇つていたが、だんだん晴れわたつた、8時半から3時半まで行乞する、近来の励精である…

跣足の子供らがお辞儀してくれた

Information-四方館 DANCE CAFF-「出遊−上弦月彷徨篇」―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、11月2日の稿に 11月2日、曇、后晴、延岡町行乞、宿は同前9時から1時まで辛うじて行乞、昨夜殆ど寝つかれなかつたので焼酎をひつかける、それで辛うじて寝ついた−アルコ…

光あまねく御飯しろく

―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、11月1日の稿に 11月1日、曇、少雨、延岡町行乞、宿は同前また雨らしい、嫌々で9時から2時まで延岡銀座通を行乞、とうとう降り出した、大したことはないが。-略- 隣室の老遍路さんは同郷の人だった、故郷の言葉を聞くと、故…

ゆきゆきて倒れるまでの道の草

―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、10月31日の稿に 10月31日、曇后晴、行程4里、延岡町、山蔭屋風で晴れた、8時近くなつて出発、途中土々呂を行乞して3時過ぎには延岡着、郵便局へ駆けつけて留置郵便を受取る、20通ばかりの手紙と端書、とりどりにうれしいも…

尿するそこのみそはぎ花ざかり

―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、10月30日の稿に 10月30日、雨、滞在、休養、同前宿また雨だ、世間師泣かせの雨である、詮方なしに休養する、一日寝てゐた、一刻も早く延岡で留置郵便物を受取りたい心を抑へつけて、−しかし読んだり書いたりすることが出来…

からりと晴れた朝の草鞋もしつくり

―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、10月29日の稿に 10月29日、晴、行程2里、富高、門川行乞、坂本屋降つて降つて降つたあとの秋晴だ、午前中富高町行乞、それから門川まで2里弱、行乞1時間。 けふの行乞相もよかつた、しかし、一二点はよくなかつた、それは私…

波の音しぐれて暗し

―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、10月28日の稿に 10月28日、曇、雨、行程3里、富高町、成美屋おぼつかない空模様である、そしてだいぶ冷える、もう単衣ではやりきれなくなつた、君がなさけの袷を着ましよ! 行乞には早すぎるので-四国ではなんぼ早くてもか…

ひとりきりの湯で思ふこともない

―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、10月27日の稿に 10月27日、晴、行程3里、美々津町、いけべやけさはまづ水の音に眼がさめた、その水で顔を洗つた、流るる水はよいものだ、何もかも流れる、流れることそのものは何といつてもよろしい。-略-途上、愕然として…

よいお天気の草鞋がかろい

―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、10月26日の稿に 10月26日、晴、行程4里、都濃町、さつま屋ほんとうに秋空一碧だ、万物のうつくしさはどうだ、秋、秋、秋のよさが身心に徹する。8時から11時まで高鍋町本通り行乞、そして行乞しながら歩く、今日の道は松並木…

山風澄みわたる笠をぬぐ

―山頭火の一句―昭和5年の行乞記、10月25日の稿に 10月25日、晴曇、行程3里、高鍋町、川崎屋晴れたり曇ったり、かはりやすい秋空だつた、7時過ぎ出発する、二日二夜を共にした7人に再会と幸福を祈りつつ、別れ別れになつてゆく。私はひとり北へ、途中行乞しつ…

笠に巣喰うてゐる小蜘蛛なれば

―表象の森― 嗚呼、シラフジアカネいやぁ、ビックリした。 4日前の8/29、土曜の夜のことだが、生駒山脈の北、飯盛山の麓は四条畷神社の近く、黄昏時のえにし庵ではじまった麿赤児VS梅津和時のLive Sessionに、突如、放り出されるように半裸姿で這い出てきたの…

穿いて下さいといふ草鞋を穿いて

―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、10月23日の稿に 10月23日、曇、雨、佐土原町行乞、宿は同前-富田屋-あぶないお天気だけれど出かける、途中まで例の尺八老と同行、彼はグレさんのモデルみたいな人だ、お人好しで、怠け者で、酒好きで、貧乏で、ちよいちよい…

余のくさなしに菫たんぽぽ

<連句の世界−安東次男「風狂始末−芭蕉連句評釈」より>「空豆の巻」−36 花見にと女子ばかりがつれ立て 余のくさなしに菫たんぽぽ 岱水次男曰く、遊山、野遊びは、もともと物忌の考えからわざわざ節日をえらんで戸外に出た風習であろうが、花見もその一つで…

ふりかへらない道をいそぐ

―世間虚仮― 比例候補が足りない!?真夏の長い闘い、衆院選もいよいよ大詰めだが、大勝ちしそうな勢いの民主党に、当初予測を超えたまことに悩ましい問題が持ち上がっている。小選挙区候補はほぼおしなべて比例ブロック候補にも名前を連ねているのだが、これは…

花見にと女子ばかりがつれ立て

―世間虚仮― Soulful Days-25- 民事訴訟はじまる 高さは12階建ながら横にぐんと長いあの偉容が、一介の市民には圧するばかりに映る大阪高裁・地裁のビルに入るのは、いったい何年ぶりだったか。本日午後1時15分、民事訴訟の第1回口頭弁論期日があった。 当初、…

お約束の風呂の煙が秋空へ

―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、10月21日の稿に 10月21日、晴、日中は闘牛児居滞在、夜は紅足馬居泊、会合早く起きる、前庭をぶらつく、花柳菜といふ野菜が沢山作つてある、紅足馬さんがやつてくる、話が弾む、鮎の塩焼を食べた、私には珍しい御馳走だつた…

晒の上にひばり囀る

―四方のたより― Dinner Showの裏で‥たった3.4日のことなのに、大阪へ戻ってくると、朝方はそれほどでもないのだが、夜は蒸し暑く、とても寝苦しい。長い運転の疲れも残っているから、身体は重くて仕方がないし、ちょっとした休み惚けのていたらくである。さ…

父が掃けば母は焚いてゐる落葉

―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、10月19日の稿に 10月20日、晴、曇、雨、そして晴れ、妻町行乞、宿は同前-藤屋- 略-、9時から2時まで行乞、行乞相は今日の私としては相当だつた、新酒、新漬、ほんたうにおいしい、生きることのよろこびを恵んでくれる。 歩…

―四方のたより―神沢師の七回忌近く神沢師が逝かれてはや6年が経とうとしている。その命日、9月6日に学園前の稽古場で法要を兼ねてのイベントが企画されているようで、もう十日ほど前か、書面の案内が寄せられている。 曰く「アンティゴネー」上演会、とか。…

山の根際の鉦かすか也

―日々余話― 盆の稽古の四方山話7月26日から東京へと二つのバレエ講習会を受けるため東京へ行っていたありさが、ほぼ4週間ぶりに帰ってきて、久しぶりに顔を出す筈だった今日の稽古だが、先の講習を受けたソフィア・バレエ・アカデミーから、スタジオ公演に怪我…

大地ひえびえとして熱あるからだをまかす

―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、10月17日の稿に 10月18日、晴、行程4里、本庄町、さぬきや 略-、高岡から綾まで2里、天台宗の乞食坊さんと道づれになる、彼の若さ、彼の正直さを知つて、何とかならないものかと思ふ。-略- 綾から本庄までまた2里、3時間ば…